愛しき君 3




毎日の日課ともいえる行動。
それはギムリを探す事。
そして、ギムリと話す事。

そして、見つける。
新しいギムリ。
それは、とても嬉しい事。



「…いない、なあ」
今日も今日で、ギムリを探しているのだけれど、今日に限って見つからない。
いつもいる場所も。
お気に入りの場所も。
その辺にいる人にも聞いたりしてみたのに。

見つからない…。



城にも、街にもいないから。
森に来てみた。
川はギムリも好きだし、と思って。

川沿いをテクテクと1人歩いてみる。
光が水に反射して、とても綺麗。
「ギムリと歩きたいなあ…」
きっと彼の人は、川と同じ位目をキラキラさせて喜んでくれるだろう。



随分と歩いたのに、目当ての人は全然見つかる気配もない。
「ギムリィ…」
こんな時は悲しくなる。
もしかして、避けられてるんじゃないかと思いそうになって。
もしかして、迷惑だと思われてるのでは。
もしかして、告白しない方が良かったんじゃないかとか。

ドンドン、暗い考えに落ち込んでしまう。





「…だろ……から…   …」

トボトボと美しい川辺を歩いていると、小さく、声が聞こえてきた。
間違うはずもない、ギムリの声。
「ギムリッ?!」
思わず口から飛び出る名前。
それに返事は返ってこないけれど。

ここにいる。
いるんだ!!

その思いだけで、勝手に足が走り出す。
愛しのギムリの姿を求めて。



声を頼りに、姿を見つけてみると。
そこは森のど真ん中。
まさかいるとは思わなかった場所。

声をかけようとして、戸惑った。
そこにいたギムリは、優しい顔をして。
木の根元に腰掛けていた。
隣には小鹿が座っている。逃げようともしないで。

鹿が人に慣れるなんて。
しかも、エルフではなく、ドワーフに。



胸がチクリと痛んだ。

優しく笑うギムリに。

慣れるはずがない鹿に。


どちらに何を言えばいいのか。
もやもやが胸を覆う。





パキッ

動かしてしまった足が小枝を踏んづける。
その小さな音で、ギムリは顔を上げ。
鹿は一目散に逃げていった。

「…やあ、邪魔しちゃってゴメンね?」



僕は、笑って言えただろうか。



おお、3作目にして何か動いてる気がします。…気のせい?(笑)一人称を交互にやっているのですが、実は一人称苦手です…げふ