「呪われろ!ジェームズ・ポッターめ!」 いつもの捨て台詞。 もちろん、言われたジェームズはこれっぽちもこたえていない。 髪の毛を逆立てそうな程、怒り心頭なセブルスは、これ以上顔も見たくない、と素早くその場を立ち去っていった。 「相変わらずだなあ。ジェームズに勝てる筈ねえのに、よくまあケンカふっかけようと思うよな、スネイプの野郎もさ」 「いつだってきっかけを作ってるのはジェームズだと思うよ」 けけけ、と笑ったシリウスに水を差すリーマス。 ムッとした表情で、でも大事にしてんのはスネイプの野郎だろお!?と反撃したものの、リーマスの言う事も一理あるので、それ以上は何も言わなかった。 そして、その間、ずっとセブルスが立ち去った方向を見つめるジェームズ。 「…ジェームズ、もう行くよ」 「あ〜、うん」 それは、毎日の出来事。 「や、セブルス。元気?」 ポカポカ陽気の素敵な昼下がり。 中庭の大きな木の下で読書を楽しんでいたセブルスの元に、毎度お馴染みの元凶がやってきた。 「…貴様がいなければな」 これ以上ないほど、嫌悪感を表すが、ジェームズはお構いなしで隣に座り込んだ。 「何を勝手に座っている!」 「え、別にここ君の場所って訳じゃないでしょ?じゃあ僕が座っても文句を言われる筋合いはないと思うんだけどなあ」 「…ぐ、その通りだな」 でしょう、と笑うジェームズの瞳に写ったのは、立ち上がりかけたセブルスの姿。 「待ってよ!どこ行くの?」 「移動する。貴様の言う通り、どこの場所だって誰の場所でもない。ならば、私がどこに行こうが関係ないはずだ。そうだろう」 「そう…だけどさあ」 ギュウ、とローブをつかまれて嫌そうなセブルスを、力ずくでもう一度座らせる。 「…なんだ」 「今日ってさ、すごい気持ちのいい天気だよね」 「まあな」 「んでね、昨日遅かったから、眠い訳だ」 「…夜遊びのしすぎだ」 「だから、膝貸して」 何か文句を言おうと、口を開けるより先に、ジェームズはセブルスの足の上に頭をコロリと乗せた。 「…!ジェームズ・ポッター!!貴様という奴は…!」 「うん…」 「何を本気で寝ようとしているのだ!さっさと私の膝から退去せよ!」 「ヤだ…」 「ポッター!」 耳元で怒鳴られているというのに、気持ちよさげなジェームズにセブルスはため息をひとつ。 「セブルス…?」 「少しの間だけ貸してやる。いいか、これは貸しだからな!いつか返してもらうぞ!!」 「いつだって、膝枕位お安い御用だよ〜」 「違う事でだ!」 全くもう、と再び読書に戻ろうとしたセブルスの本をトントンと叩く。 「…なんだ」 「もっと喋ってよ」 「眠るのだろう?」 「うん、だからさ…セブルスは、僕の迦陵頻伽だからね…気持ちよく眠れるよ」 一気に真っ赤になったセブルスは本で顔を隠して叫んだ。 「た、戯言を!!」 えへへ〜と笑うジェームズの耳に聞こえてくる。 セブルスがその本を音読している声。 ものの数分で、ジェームズは眠りの底へ。 眠ってしまった後も静かに続けられているセブルスの声。 綺麗な発音と、落ち着いたイントネーション。 まるで、それは歌の様に。 「迦陵頻伽、ね…。確かにセブルスの声ってよく聞くと綺麗だよね。いつも叫んでるから分かりにくいけど」 「恋する男は目敏いよなあ」 誰も入る事の出来ない中庭を眺めるリーマスとシリウス。 それは、幸せなある日の出来事。 |
花生さんに捧げます!3周年とか色々のお祝いにv遅れてごめんなさい〜!
そして、「カッコいいジェセブ」じゃなくてゴメンナサイ!!どんなん書けばいいのか分からんかったのさ…。