道程




「どこまでも…一緒にいられたらいいね」





そんな夢物語を口にした男は、もういない。

どこまでも…
いつまでも…
この時が永遠であって欲しい、とよく言っていた。

本当に、嬉しそうに、幸せそうにあいつが言うものだから。
いつしか私も心から願う事があった。



そうなる事があいつの幸せならば。
叶えてやりたいと。

いつまでも。
どこまでも。
幸せにしてやりたいと。





闇に狙われたあいつが身を隠して、どれほど経った頃だったろうか。
ひょっこりと窓から顔を覗かせた事があった。

そう、まるで学生時代の時の様に。

「や、セブルス」
「ポッ…!?…何を、している」
大声を出してはいけないと、感情を抑えて訊ねれば、ヘラリといつもの笑いを見せて、よいしょと何かを持ち上げた。
何か、とは赤ん坊だった。

「こいつ…見せたくてさ。ハリーっていうんだ。可愛いだろ?」
「息子か」
「そう。僕に似てハンサムになるぞう!またホグワーツのヒーロー誕生だね」


あまり嬉しそうに笑うので、ついつられて頬が緩んだ。
「良かった…」
「え?」
「そうやって、セブルスが笑ってくれていると嬉しい。それが永遠に僕の役目ではなかったのは寂しいけど…」
「ポッター…」
「いつまでも、どこまでも…幸せに笑っていて。セブルス」

口を開こうとしたら、優しい口付けがおりてきた。
「さよなら…楽しかった。嬉しかった。幸せだった。…今でも、ね」
「ポッター…私もだ」
「セブルス…?」
「私も、お前が笑っていると嬉しかった。私がいる事で、お前の願いが叶うのならば、何でもしてやりたいと…お前の願いは私の願いだった」


赤ん坊を抱いていない方の腕で、私を優しく抱きこんできた。
「セブルス…そんな嬉しい事言わないでよ。泣いてしまいそうだ…」
「泣けばいい」
ふふ、と笑う声がしたと思ったら、両腕が私の体に回された。
ビックリして、思わずその腕をはらってしまった。
「おま…!ハリーは!」
「大丈夫、ほら」
見ると、空中にふわふわと浮いている。
慣れているのか、赤ん坊は泣くどころかキャッキャと喜んでいた。

「だから、安心して飛び込んできてよ」
そう言って、両腕を広げてニヤリと笑ったあいつ。



ああ、本当に学生時代みたいだ。


私の顔は、きっとあの頃みたく嬉しい様な照れ臭い様な呆れた様な…なんともいえない微妙な顔をしているのだろう。
そして、あいつはそれを見て喜ぶのだ。

「セブルス、可愛いね」






「いつまでも…幸せでいてね」


そんな夢物語を語った男は、二度と私の前に現れない。

いつまでも…。
どこまでも…。
お前がいなければ、意味がない。

けれど、それがお前の望みなら。
それが、お前の幸せなら。



私は、きっと幸せになろう。
私なりの幸せで。





いつまでも。
どこまでも。

私たちは一緒だから。



100題書こうとして、脱線してしまった話…。おかしい。ちょっと暗いっすな〜(^^;でもラブラブよね!