パラドックス





お前は、僕に敵う事が出来ないんだ。


   +++

彼と話をしたり、彼の姿を見かけたり。
その度にドキリと高鳴る自分の胸。
そして、その度に聞こえてくる声。

それが誰の声なのか。
そして、どこから聞こえてくるのか。

そんな事はとうに知っている。


けれど、それが真実だとは思わない。
信じたくない。

だって、僕にはまだ未来があるのだから。








「先生は…」
「む?」

言いかけて、口を噤んだ。

「なんだ、ポッター。いいたい事があるのならちゃんと言いなさい」

真っ直ぐに僕を見つめてくれる。
その眼を離したくない。

だから、いつもドキドキしている。
嫌われたらどうしよう、と。



「先生は…」
「ふむ」

同じ所で言葉が詰まる。



「ポッター」

呆れた声色。
心臓がドキリと大きく打つ。

ばくり、ばくり。

嫌われる。
嫌われてしまう。

どきどきどきどき…

ああ。
こんな時…










お父さん だったのなら…!?


















「ハリー」


響いた声。

僕の名前。

「…は、はい!?」
「私はちゃんと、『お前』を認識している」

少し、赤く染まった顔。
白く、細い腕が伸びてきて、額に触れる。

傷跡、に。

「…っ!」



喜びは大きく。
悲しみも大きく。





   +++

敵わない。
敵うはずがない。

セブルスの心の中には僕がいる。
永遠に消える事のない、僕。



感謝しろよ、ハリー。

   +++



聞こえてくる声。

負けない。
負けない。



呟く 僕。



冒頭、どこかで見た事あると思われた方、かなりの通でございます!(嬉)日記で冒頭殴り書きして放置してあったものの続き。
ジェスネでハリスネ。てかお父さん…なんて残酷な!てか先生も残酷だよ〜!!