| 「マスターvv」 いつもの事ながら、しっぽでも振り出しそうな勢いのパダワンに呼ばれて振り返る。 そこに立っていたのは、何故だかいつもよりご機嫌な様子のアナキン。 「…?どうかしたのか?」 「何がですか?」 機嫌がいいみたいだから…などと言ったら、何と返ってくるのか恐ろしくって。 「いや、何でもない」と言葉を濁した。 「あのね、あのね?マスター」 ゴロゴロと喉を鳴らすのではないかと思えるほど、懐いてくるパダワン。 やはり今日は様子がちょっと違うな、とマスター・オビワンに警戒信号が発令される。 「何だ」 「マスターにお話があるので…マスターのお部屋に行ってもいいですか?」 警戒信号は、今ではしっかり警戒警報。 それでも、可愛いパダワンに冷たくする事は出来るはずもなく。 気がつけば2人で、オビワンの部屋の前だった。 「それで…用事とは?」 お茶をすでに座っているアナキンの前に置きながら問う。(マスターにお茶を入れさせる事はどうかと思うが) 相変わらず頭のネジが外れてしまった様な顔をしたアナキンの顔がパアっと明るくなった。 「実はですね、マスターッ!先日行った惑星で、素晴らしい情報を手にしたんです、僕っ」 「…どんな情報だ?」 話を進めるのが恐ろしくもあったけれど、せっかくいい機嫌をつぶしてしまうのはもっと恐ろしくもあった。(ここは人目もないし) 「今日…2月14日、というのはですね、チョコレートと一緒に愛の告白をする日なんですって!こんな素晴らしい日があったなんて、僕知りませんでしたっ」 目を輝かせながら話すアナキンに、オビワンは頭痛がした。 もちろん、オビワンもその話は知っていた。昔、マスター・クワイガンに教えてもらった。 けれど、それは『女性が』である。 肝心な部分が抜けているパダワンの先が不安で仕方なかった…。 「それでね、ハイッvv」 ニコニコと笑いながら、ひとつの包みを差し出してきた。聞かなくても、この中身は…。 「チョコレート?」 「ハイッそうですvv大好きなマスターに食べてもらおうと思って用意してきたんですよ〜」 頭のネジが5.6本抜けたのではないかと思われるその浮かれっぷりに、頭痛を酷くしながらもオビワンは「ありがとう…」と言ってそれを受け取った。 「受け取りましたね!?」 手にした途端に聞こえてきた大声に、ビクリと体を強張らせる。 「な…何だ?貰ってはいけなかったか?」 「いいえ!逆です!!受け取ってくれたという事は、マスターも僕が好きって事ですよね?」 「…憎からず思っている相手だったら受け取るだろう」 どこまでも抜けた事を言うパダワンに、もう何と言うか…呆れるだけで。 しかし、頭のネジが10本ばかし抜けてしまっているアナキンには、その言葉は届いていなかった。 「ああ、やっぱり僕たちは相思相愛だったんですね!!」 「ア…アナキン?」 何とか暴走を止められないかと、思わず手を伸ばしてしまった。 すると、間髪入れずにその手がガシリと掴まれた。 「愛してます…僕のマスター。貴方からのチョコが欲しい」 「わ、私から?」 「ハイ。もちろん、用意してらっしゃらないのは分かってます。だから、マスターのチョコでいいです。いや、むしろそれがいいです!」 「???」 言葉の意味が分からなくて、考えている間に、アナキンに馬乗りにされてしまった。 「ア…アアアナキン!?」 「マスター、今日は逃がしませんよ?僕、チョコが欲しくてたまらないんです…」 「だ、だったら明日買ってやるから…!」 必死に防御しようとするオビワンもまた可愛くて、それはアナキンを刺激するだけになってしまい…。 「マスター、分かっているくせに…僕が欲しいのは、アナタなんだって」 逃げ場のないオビワンの運命はいつだって一緒だった…。 「やっぱり、マスターが最高ですvv」 グッタリと横たわったオビワンの隣で、プレゼントしたはずのチョコレートを美味しそうに頬張りながらアナキンはますますご機嫌だった。 「そうそう!来月はこのお返しの日があるんですって!マスター、楽しみにしてて下さいねっ」 頭のネジが残っているはずもないアナキンがとても嬉しそうにそう宣言する。 明日にでも、破門にしたい… 心からそう願ったマスターオビワンでありました。 |
遅れに遅れたヴァレンタインSSです。新参者のSWで書いてみました〜ギャグは書きやすい…
「君のチョコがあるからいい」自称セクハラオヤジの会社の先輩に言われた…よく言えるよなぁ、そんな恥ずかしいセリフ!!