夜中、たまに目が覚めると隣にグレアムが寝ている。 そんな事があったりもした。 だけど、朝目を覚ました時にグレアムがいた事など一度もない。 それがオレらの普通であった。 だからこそ、今。 もう朝だというのに、もうオレが起きているというのに。 隣で気持ち良さげに寝息を立てているグレアムがいるというのは、不思議でしょうがなかった。 その姿は珍しいもので、目を奪われるのに十分な魅力があったのだけれど、どうしてもオレは色々と考えてしまう。 相手がグレアムなだけに、何かあるのではないかと勘ぐってしまうのだ。 こんなにおいしいシュチュエーションでも、その心配が勝ってしまって、ろくに手も出せやしない。 …そして、その結果はグレアムを起こす事になった。 1人でウジウジ考えるのは、オレの性分じゃねぇ! 「おい、起きろよ。グレアム」 声と共に肩を揺さ振る。それだけでグレアムは起きる。 これがサーニンやマックスだったら、後ケリが2・3発はいるのだが。 グレアムの瞳がゆっくりと開く。 そして体をころりとこちらに向かせて、笑った…。 「やあ、おはよう。アンジー」 「おはようじゃないよ。いいのか?こんな時間までオレの部屋にいて?」 いつもと違うグレアムにドキドキしながら、オレは平静を装い会話をする。 こんな事ばかり上手になってしまって、損をしていると本当に良く思う。 …得する事もよくあるけれど。 「いいのか」と聞きつつも、オレの手はグレアムの長い前髪を弄って遊んでいる。 それがこそぐったいのもあるのか、フフッとグレアムが笑った。 「いいんだよ。ほら、昨夜はカミナリだったろ?ボクが怖がってアンジーの部屋に来た事にすればいいじゃないか。マックスだってパムの部屋に行っていたよ」 「アホか!誰がそんな事信じるんだよ!お前がカミナリを怖がる姿なんて神様にも想像できねぇよ」 オレは呆れ顔になって、グレアムにつっこみをいれる。 グレアムはまだクスクスと笑っている。 「じゃあ、夢見が悪かったって事にしようか。1人じゃ怖くてサ…夜中にアンジーの部屋に来た事にすれば…」 「何かあったのか?グレアム。オレには本音を言っていいんだぜ?」 フッとグレアムの顔から笑みが消えた。 でもすぐに薄く笑って…。 「何でもないんだよ、アンジー…ただ、1人が淋しかっただけだよ」 そして、オレに抱きついてきた。 グレアムから! 出会って7年。想いが通じて数年…そんな事は初めてだった。 だからオレはずっと『グレアムは優しいから、オレの誘いを、オレの想いを断れないだけじゃないか?』と疑ってもいた。 どうやら、それはオレの思い過ごしだった様だ。 「グレアム…」 オレはグレアムを抱きしめ、そして…。 顔を近づけようとしたその瞬間、バターン!!と扉が開いて、えらい形相のサーニンと半べそのマックスが入って来た。 「やっぱりグレアムここにいた!!」 そう叫びオレからグレアムを引き剥がし、自分達が抱き着いた。 グレアム、一気に2人の子持ち状態!! 「アンジーずるいんだから!グレアムを1人占めするなんて!!」 マックスが迫力のない顔で睨んでいた。(とてもそうとは見えないが) サーニンは何も言わずにオレを睨んでいた…。 マックスはともかく、サーニンは分かっているんだろうな。 だったらオレらは両想いだって事を伝えてやる方が親切ってもんだよな。 ニヤリと笑ったオレをグレアムは見逃さなかったらしく、オレの前に口を挟みやがった。 「ゴメンね…昨夜は何だか1人が嫌でサ…アンジーの部屋に押しかけたんだ」 「そうなの?じゃあグレアム、今度そうなったら、ボクの部屋に来てね!」 そうするね、とグレアムは微笑む。 半分ウソついたグレアム。 ウソが下手なグレアム。 ほら、騙せたのはマックスだけ。 サーニンは変わらずオレを睨んでやがる。 結局、グレアムがオレだけのものになる日なんてのは、来ないのかもしれない。 この2人が相手を見つけない限り! オレはヤケになって叫んだ。 「ほらっお迎えが来たぞ、グレアム!さっさと広いベットをオレに返してくれよ!」 そして、グレアムがオレの部屋に朝までいる事はもう2度となかった… オレの馬鹿… |
はみだしっこシリーズより。ああ、懐かしいなあ。大好きなんです、この話vvわ、分かる人お友達になって下さい…!グレアム総受vv